四字熟語グランプリ　・・・らしい。

ある日黒板の隅の方を見てると（一番前の席なので）

「四字熟語グランプリ」

と鉛筆で書かれたルーズリーフが貼ってありました。

次の日、また見てみると、いくつかの四字熟語が書かれてました。

前の日の「四字熟語グランプリ」っていう題字と同じ人が書いたということが一見して分かりました。

とても悲しくなりましたが、

もしかしたら、何人か友達同士で考えたんだけども、

たまたまその人が書記係をやったのかもしれないので、あまりつっこまないことにします。

その次の日、今度は違う字で四字熟語が増えてました。

他の人も気づいて書いてくれたようです。密かに知名度アップです。

その後数日でまたいくつか四字熟語が増えていき、

そのルーズリーフを休み時間にちらっと見ていく人もでてきました。

書かれてたのといえば、

喜怒哀楽

唯我独尊

すごく普通なのといえば、これくらいです。

罵詈雑言

拒絶自由

不協和音

ちょっと意味は悪いですが、まぁ四字熟語ではあります。

天下一品

札幌一番

焼肉定食

やっぱりありました。食べ物系。

椎名詰平

それはただの人名です。

喧嘩上等

これはとりあえず四字熟語です。しかし・・・

夜露死苦

これは違う気がします。

そんなこんなで平和な日々が続いていたのですが、ある日、事件が起きました。

まだ半分ぐらい書くところが残っていたルーズリーフなんですが、

そのスペースいっぱいに大きく

巨乳万歳

とピンクのチョークで書かれていました。

今までは、とりあえず黒ペンか鉛筆でルーズリープの行のサイズに合わせて書くのが

暗黙のルールだったようですが、

敵によりそれが大きく破られてしまいました。

しかも「巨乳万歳」の文字に矢印をして

「←グランプリ決定！」

とまたもやピンクのチョークで書かれていました。

翌日、またそのルーズリーフを見ると、

「←グランプリ決定！」

の文字が黒ペンでぐちゃぐちゃ―っと消されてました。

そして「椎名詰平」が黒丸で囲まれて

「こっちがグランプリ」と書かれていました。

俺の知らない、クラスの水面下で戦争が起こってます。

次の日見ると

「巨乳万歳」も負けじと黄色のチョークで周りをぐるぐると囲まれて強調されてました。

いくら「椎名詰平」ががんばっても、

文字のインパクトでは「巨乳万歳」には負けてます。

しかし支持率は「椎名詰平」の方が高いようです。

それから数日間、「椎名詰平」と「巨乳万歳」の文字には

お花やハートなどいろんな装飾が付いていきました。

しかしある日気づいたら、もうそのルーズリーフはもう黒板にありませんでした。

結局、グランプリはどっちになったのか気になります。

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